幼少期のトラウマを抱え悩み苦しんでいる若い女性

 

カウンセラーの杉本もゆるです。

▶ 杉本もゆるのプロフィール

 

戦争や災害、事故などの辛い経験からストレスが重くのしかかり、心の病を患う人が多くいます。

うつ病をはじめとした様々な病気が発症しやすくなりますが、その中でも強い恐怖を目撃したり体験したりすることでトラウマとなり、生活に支障をきたすほどの症状がでてしまう病気があります。

 

それは、PTSD(心的外傷後ストレス障害)

近年では日本でも注目されている精神疾患の一つになっています。

 

今回はこのPTSD(心的外傷後ストレス障害)について、詳しくお話ししていきます。

 

 

ソラ♂ソラ♂

PTSDは、過去に命の危険を感じたり、圧倒的な強い力に支配されたり、とても強い恐怖感を伴う経験をした人に起きやすい症状と言われているけど、実際には自分でPTSDだと気が付かずに、精神的に苦しんでいる人が多いみたいだね。

モモ♀モモ♀

たとえPTSDでなかったとしても、「心が辛い」と感じているなら一人で我慢せずに思い切って専門機関に相談するのがベストな選択ね。また今回の「PTSDの3つの症状」についてもぜひ参考にして欲しいわね。それではもゆる先生よろしくお願いします!


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日本で起きたあの「災害や事故」がきっかけ!?PTSD(心的外傷後ストレス障害)が注目されるようになった出来事とは!!

 

PTSDという病気は、以前は日本でうつ病などと比べてそれほど認知度はなかった心の病気です。

戦争もなく、他国と比べて治安も良い日本では、発症する人はそれほど多くなかったのです。

 

もちろん、性被害や事故などの辛い経験からPTSDを発症する人は一定数いたと思われます。

しかし、そのような状況で、この病気が認知されるようになったのは、1995年の阪神淡路大震災地下鉄サリン事件がきかっけだといわれています。

 

また、近年では2011年の東日本大震災でもPTSDを発症した人が多くいたといわれています。

この病気は災害や事故の発生直後よりも、周囲の混乱が収束しだした頃にあらわれやすい傾向があります。

 

また、災害に遭った人の場合、“生きているだけで幸せ”“くじけていては申し訳ない”などと自分を過剰に鼓舞(こぶ)(こぶ)するところがあり、心の問題を認めようとしないこともあります。

そのため、本人から医療機関に足を運ぼうとしない人も多く、その点は問題になっています。

 

 

PTSDは「ストレスによる脳のダメージ」!?社会生活にも大きな影響を及ぼす3つの症状!!

 

PTSDは生命に関わるような危険を体験したり目撃したりすることにより、ストレスがトラウマとなり特徴的な症状が続き、生活に支障が出てしまう病気です。

単に心理的な影響を残すだけでなく、人間の対処能力を超えるような圧倒的な体験をすることで、脳がダメージを受け、変化を起こすことが研究でわかっています。

 

出来事から一ヶ月以内に起こり、その後症状が一ヶ月以内におさまる場合はPTSD(心的外傷後ストレス障害)ではなく、ASD(急性ストレス障害)という診断名がつきます。

PTSDは、後になって辛い体験が記憶と共によみがえってきた時、心の傷を思い出させる物事を避けるようになったり、反応が麻痺したり、眠れなくなったりなど、社会生活が正常に営めなくなる状態が続くのです。

 

症状は大きく3つに分けられます。

 

① 再体験症状
トラウマとなった出来事を再体験する症状。トラウマ体験に関する記憶がよみがえったり(フラッシュバック)、悪夢を見たりして繰り返され、動悸や発汗など身体的にも症状があらわれる。特に強烈なのは「解離性フラッシュバック」で、その出来事を“今現在”体験している状態になる。意識は現実から離れ、周囲が話しかけても反応しない場合もある。
② 回避・麻痺症状
トラウマ体験を思い起こさせる事柄(場所・行動・思考・感情・会話など)を避けたり、体験の一部を思い出せなくなったりする。苦痛が起こりそうな場面を避けるため、活動の範囲が狭まる。感情も麻痺したようになり、愛情や幸福を感じにくくなるなど、精神活動の低下がみられる。
③ 過覚醒(覚醒亢進)
ちょっとした刺激にも怯えるような精神的緊張状態となったり、常にピリピリしているような過剰な警戒心を抱いたりする。また、イライラ、集中力の低下、不眠などの症状があらわれる。

 

 

PTSDは薬物療法だけでは治らない!?認知行動療法(カウンセリング)との「同時治療」が効果的!!

 

PTSDの治療では、薬物療法は中心となる治療法ではありません。

薬で根本からの治療はできないのです。

 

効果的な方法は、カウンセリングや曝露療法などの認知行動療法だといわれています。

もちろん、薬を服用することにより症状を和らげることはできます。

 

また、他の病気(うつ病やパニック症)の併発を防ぐ役割もあります。

薬によって症状が和らぐと、本人の心身のバランスも安定しやすくなるので、トラウマ体験と向き合えるようになり、病気自体も回復しやすくなります。

 

そのため、おすすめなのは薬物療法と精神療法を合わせて行うことです。

 

PTSDを薬物療法だけで回復させることはできません。

薬物療法で症状を緩和させながら精神療法で根本を治療していくのです。

 

 

PTSDの回復に必要なこととは!?ポイントは「適切な治療方法」と「身近な人の支え」!!

 

PTSDという病気は決して簡単な病気ではありません。

傷ついてかたまった心を癒し、出来事を乗り越えられるようになるには、時間をかけてケアしていく必要があります。

 

その人の性格や症状によって、複数の治療法があります。

医療機関やカウンセラーから回復の方法を教えてもらってください。

 

PTSDの回復において、身近な人の支えも重要なポイントです。

その人の孤立を防ぎ、親身に話を聞いてあげるだけでも、症状に変化があらわれることがあります。

 

もしも、家族や周囲にPTSDを発症した人がいたら、その人の支えになってあげてください。

そして、一日も早く医療機関もしくは専門家やPTSDに詳しいカウンセラーに相談することをすすめてください。

 

あの人もしかしたらPTSDかも…と思ったことがあった場合も、一度電話カウンセリングなどで相談してみてください。

 

PTSDは脳にも異変が起こる病気です。

心が弱いからだとか、大げさなどでは決してありません。

 

そのつらい痛み、苦しみから解放させてあげてください。

 

杉本もゆるでした。

 

心の扉メンタルカウンセリング横浜
筆:杉本もゆる

 

ソラ♂ソラ♂

もゆる先生ありがとうございました!最後まで読んでいただきありがとうございます!

モモ♀モモ♀

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