PTSDが原因でパニック症を発症させている若い女性

 

カウンセラーの杉本もゆるです。

▶ 杉本もゆるのプロフィール

 

突然始まる呼吸困難や動悸、めまいなどのパニック発作がくり返し起こるパニック症

そして、人間の処理能力の域を超えるようなストレスがトラウマとなり、生活に支障をきたす症状を引き起こすPTSD(心的外傷後ストレス障害)

 

この2つの心の病気には類似点があり、また併発する可能性もあるのです。

 

今回はパニック症とPTSD(心的外傷後ストレス障害)の類似点、そして併発の危険性、また治療法をお話ししていきます。

 

 

リク♂リク♂

パニック症は、理由もなく急に胸がドキドキして、呼吸が苦しくなり、めまいや吐き気、そして強力な不安を感じる病気だと言われているけど、きちんと治療をしないと慢性化することもあるから、症状に合わせた適切な治療が必要だね。

コハク♀コハク♀

今回は「パニック症」と「PTSD」の意外な類似点や、きちんとした治療が必要な理由、そして効果的な改善方法なども紹介されているから、ストレスや不安を抱えている人には特に参考にしてほしいわね。それではもゆる先生よろしくお願いします!


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日常生活に支障をきたす精神疾患「パニック症」と「PTSD」の類似点とは!?

 

パニック症もPTSDも精神疾患の一つであり、ストレスや不安、恐怖が元になって起こる病気です。

疾病のグループでは“不安症”に入り、強い不安感や恐怖心が根底にあり、そのため日常生活にも支障が出てくるのが特徴です。

 

それぞれ具体的な症状は異なりますが、ベースにあるものは類似しています。

また、パニック症にもPTSDにも同様にみられる症状があるのです。

 

それでは、パニック症とPTSD、共通の症状を挙げていきます。

 

 

パニック症とPTSDの共通点その1「パニック発作がある」

 

どちらにも、パニック発作が起こることがあります。

パニック発作はパニック症の中心的な症状ですが、PTSDでも起こることがあります。

 

パニック症のパニック発作は状況に関わりなく不意に起こるのに対して、PTSDのパニック発作はトラウマ体験を思い出すような状況に限って起こります(このようなパニック発作を状況結合性パニック発作といいます)。

 

パニック症ではパニック発作と同時に、その後の予期不安が強く出ることが多くあります。

しかし、PTSDでは発作が起こる理由はわかっているため、発作への恐怖が次の発作を招くような予期不安はありません。

 

 

パニック症とPTSDの共通点その2「フラッシュバック症状がある」

 

PTSDの中心的な症状の一つである、フラッシュバック(再体験)がパニック症でも起こることがあります。

再現される内容はかなり異なります。

 

PTSDでは事故や災害などの、自分自身が目撃したり体験したりした強烈な記憶がフラッシュバックします。

パニック症の場合はパニック発作の体験がトラウマとなり、その時の状況が視覚的にフラッシュバックされます。

 

また、気分が激しく落ち込んだ時の不安・抑うつ発作で、過去のトラウマ的な出来事がフラッシュバックであらわれることもあります。

パニック症のフラッシュバックは病気が急性期の時の症状で、治療が進み、発作が起こらなくなると自然に消えていきます。

 

 

パニック症とPTSDの共通点その3「トラウマが関係する」

 

PTSDは衝撃的なトラウマ体験によって発症します。

それに対して、パニック症はパニック発作そのものがトラウマになります。

 

PTSDではトラウマが病気の原因となり、パニック症では病気の症状がトラウマになる、という違いがあります。

 

 

このように、パニック症とPTSD という2つの病気は、異なる病気でありながらも類似点があります。

また、薬物療法ではパニック症にもPTSDにも同じ薬が効果をあらわします。

 

もちろん、どちらの病気も薬物療法だけでは回復は非常に難しい病気です。

パニック症は薬でパニック発作を抑えられるため、不安が薄れていき、稀に回復していくことはありますが、PTSDの場合は薬物療法だけでは回復しないことがほとんどです。

 

ただ、どちらも同じ薬で効果が出るということは、脳内に同じような異変が起こっているということです。

 

また、ノルアドレナリンという不安や恐怖、興奮に関わる神経伝達物質に関係する神経細胞の活動が不安定になっていたり、脳の一部の“海馬”という情動や記憶に関わる場所に異常がみられたりする、という共通点があることも、現在わかっています。

 

 

「3つの共通点」から分かること!パニック症の人はPTSDになる可能性もある!?

 

PTSDの人はパニック発作があっても、パニック症を発症することはほとんどありません

なぜなら、PTSDで起こるパニック発作はその原因がわかっているため、その後の予期不安にほとんどならないからです。

 

しかし、パニック症の人は違います。

パニック症の人はパニック発作の体験がトラウマとなり心に傷を作り、PTSDに進むケースがあるのです。

 

つまり、パニック症とPTSD、2つの心の病気を併発してしまう恐れがあるのです。

 

パニック症もPTSDも、「心がただ弱いだけだ…」「神経質なだけだ…」「いつか治るだろう…」などと甘く考えずに、しっかりと向き合っていかねばなりません。

 

きちんと治療していかねば、パニック症もPTSDも、何十年も辛い気持ちと症状を抱えて生きていかねばならないかもしれないのです。

状況が悪化する前に、一刻も早く自分の病気と向き合いましょう。

 

 

パニック症やPTSDだと思ったら!?ベストな治療法は「薬物治療」と「メンタルカウンセリング」!!

 

自分はパニック症かも…PTSDかも…と疑ったのなら、まずは本当にその病気かどうか医療機関で診断してもらうのが良いでしょう。

 

特に、パニック発作では、動悸や息切れ、窒息感や吐き気などが起こるため、身体の病気が隠れている可能性もあります。

身体に異常がないことを知った上で、治療に入りましょう。

 

パニック症もPTSDも、まずは薬で症状を落ち着かせることをおすすめします。

なぜなら、特にパニック症の場合、パニック発作は薬でコントロールすることができるからです。

 

また、どちらの病気も不安な気持ちになったり、夜眠れなかったりなど、特徴的な症状が出ていなくとも、このように心身にストレスがかかります。

これらを和らげるために、薬で緩和させるのです。

 

そして、根本的な治療は、精神療法(パニック症カウンセリングなど)を行いましょう。

特にPTSDでは心理カウンセリングメンタルケアをはじめとした精神療法の中の、認知行動療法が治療の第一選択となっています。

 

パニック症もPTSDも、出来事や刺激に対する見方・捉え方を変えていくことにより相当楽になります。

この見方・捉え方、いわゆる認知の歪みを変えていくことは、そうそうすんなりはできません。

 

しかし、専門家や認知行動療法を得意としているカウンセラーと共に、考え方の歪みを治す練習をしていくことにより、改善することができます。

変わりたいとは思うけど…ではなく、強く変わりたい!とどのくらい思っているかです。

 

こんな自分、あんな自分になりたい、と目標を立てて訓練(カウンセリング)していくうちに、認知の歪みは改善されていることでしょう。

自分を変えることは、自分にしかできません。医師や臨床心理士、カウンセラーはあなたが変わるためのお手伝いしかできないのです。

 

強い意志を持ち、今の自分や病気に立ち向かっていってください。

 

杉本もゆるでした。

 

心の扉メンタルカウンセリング横浜
筆:杉本もゆる

 

リク♂リク♂

もゆる先生ありがとうございました!最後まで読んでいただきありがとうございます!

コハク♀コハク♀

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