カウンセラーの杉本もゆるです。
私たちが日常で使う「コンプレックス」という言葉は、いわゆる“劣等感”と似た意味で使われています。
しかし、深層心理学の分野で使われているコンプレックスは意味が異なります。
普段は無意識な部分にある、様々な感情が入り交じり統合された心的複合体だといわれています。
これらのコンプレックスを抱えていることによって、自分自身はもちろんのこと家族や周囲にも悪影響を与える可能性があります。
今回はそのコンプレックスの一例をご紹介していきながら、原因や改善策をお伝えしていきます。
コンプレックスは誰もが抱えているものだけど、白雪姫やシンデレラの深層心理が「心の歪み」というのは一体どういうことなのかしら?
今回は「美しい物語」と言われている裏に隠されている「深層心理の心の歪み」が紹介されているから、いつもとはちょっと角度を変えて見てみる必要があるね。それではもゆる先生よろしくお願いします!
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私たちが日頃使うコンプレックスという言葉は、例えば、「鼻が低い」とか「太っている」とか「学歴が低い」などのように、他人と比較して自分の方が劣っていると強く感じることに対して、使われることが多いと思います。
しかし、深層心理学の分野では基本的にそのような使い方はあまりされません。
▶ 3月14日分ブログ参照
このコンプレックスには名前のつけられている様々なものがあり、例えば、白雪姫コンプレックスやシンデレラコンプレックスなどといった、一見するとかわいらしいような名前のものもあります。
しかし、その内容は深層心理に隠された恐ろしい心の歪みです。
その一例を見ていきましょう。
【深層心理の歪みその1】白雪姫コンプレックス
白雪姫コンプレックス…子どもの頃に虐待された母親が、今度は自分の子どもに対して虐待をしてしまい、連鎖を起こすこと。
グリム童話やディズニー作品でも有名な白雪姫。
継母によって城を追い出され、森の中で7人の小人と暮らしていましたが、魔女に化けた継母によって毒りんごを食べさせられ死んでしまいます。
しかし、通りがかった王子によって生き返り、その後、王子と幸せに暮らしました。
というハッピーエンドなお話です。
ただ、白雪姫は継母から虐待を受けて育ったため、親から受ける愛情を知りません。
自分自身が王子の子を産み、育てる時、目一杯の愛情を注いで虐待せずに育てられるのか、ということです。
虐待受けて育った親は、この親が子に虐待するという行為が潜在的に心に根付いてしまっていることがあります。
感情を抑えられなくなった時に、自分が小さい頃にやられたように手をあげたり体罰を与えたりしてしまうのです。
また、無意識下で、自分の親への復讐の意味合いが込められており、全く関係のない子どもに虐待をしてしまいます。
【深層心理の歪みその2】シンデレラコンプレックス
シンデレラコンプレックス…自立できない女性が、いつか素敵な王子様が自分の前に現れて幸せにしてくれる、と男性に高い理想を持ち続けること。
シンデレラのお話といえば、継母や義姉にいじめられながら生活をしていたシンデレラが王子様と出会い、結果的に結ばれるというものです。
女性には特に他人に面倒を見てもらいたいという潜在的な願望があるといわれています。
その願望の強い女性が、自分自身の自立を拒み、白馬に乗った王子さまが迎えに来て迷える女の子である私を救ってくれる、と心の底で思っているのです。
映画やドラマでは恵まれていない女性が、裕福で素敵な男性と運命的に出会い結ばれるといったストーリーが多いです。
このストーリーの流れが多いのは、多くの女性が心のどこかでシンデレラのような人生に憧れていることを物語っています。
このコンプレックスを持つ女性は、裕福な家庭で育てられたり、高学歴であったりする傾向があります。
有能で仕事もでき、社会的に自立している反面で、他者、特に男性に依存したいという潜在的な欲求が強いのです。
シンデレラになるための条件として、元々は恵まれていなかった状態にあることがあげられます。
そのため、自身の育った環境が恵まれているなどすると、シンデレラになるための条件を生まれつき持っていなかったといって両親を恨むケースもあります。
このような女性は自分のレベルを把握せず、理想を追い求めてしまうので、パートナーがなかなか見つからず、結婚したくてもできなかったり、結婚生活がうまくいかなかったりすることが多い傾向があります。
結婚相談所などに登録しても、希望の条件がありすぎて相手が見つからないのです。
【深層心理の歪みその3】エディプスコンプレックス
エディプスコンプレックス…幼少期の男の子が、母親を自分のものにしたいという強い感情と、父親に対して強い嫌悪感や対抗意識を抱く。
エディプスコンプレックスとは、ギリシア悲劇の一つである「オイディプス(エディプス)王」になぞらえ、名づけられました。
ギリシャの王であるエディプスは、その人を実の父だと知らずに殺してしまいます。
そして、母親と結婚して王位を継ぎますが、その後、事実を知り悲惨な死を遂げるというお話です。
子どもは母親を手に入れ、父親のような位置につきたいと思います。
男児にとって母親は異性であり、愛情の対象になります。
愛する母を手に入れるために父親を排除したいと思いますが、絶対的な存在である父親にはかなわず、父親からの敵意や圧力に不安を感じ、葛藤するのです。
本来ならば、そこで母親への異性としての愛情と父親への対抗を諦め、通常の異性愛に目覚めたり社会的なしくみを身に付けたりすることで解消されていきます。
しかし、これらの問題が未解決のまま大人になると、神経症などの精神病になりやすく、また暴力的になるといわれています。
【深層心理の歪みその4】メサイアコンプレックス
メサイアコンプレックス…自分が人を救うことのできる救済者(メサイア)で、人を助けることで自分は幸せだ、価値のある人間だと強く思い込む。
「メサイア」とは救済者のことを指します。
宗教ごとにその捉え方は異なりますが、キリスト教におけるメサイアはイエス・キリストです。
つまり、まるでイエスのように自分は人を救うことのできる特別な存在であると強く思い込んでいる人のことをメサイアコンプレックスといいます。
この根底には、もともと自分は不幸だという心理が潜在的にあり、人を助けたり感謝されたりすることで、自分の存在価値を見出そうとしている自尊心の低さがあります。
人を助けられる立場にあるのだから、自分は幸せなのだという強迫的な思い込みにより、自己満足的な援助をするなどします。
援助をしたからといって相手が必ずしも良い印象を持つわけではありませんが、そこまでは理解しようとしないこともあります。
また、自分のした援助に対し、期待通りの感謝がこなかったり、文句を言ったりすると不機嫌になるなどの傾向があります。
コンプレックスを甘く見ていると危険!?「何かとトラブルが多い」「自分が生きづらい」「人生がうまくいかない」といった原因に!!
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他にもコンプレックスは多くのものが提唱されています。
今回取り上げたコンプレックスはその一部にすぎません。
そして、このコンプレックスは私たちの日頃思っているコンプレックスよりもはるかに根深く、簡単に解消させることはできません。
なぜなら、幼少期に植え付けられた考え方や捉え方が意識に根付いて抑えつけられ、無意識になってしまっているからです。
コンプレックスを抱えたままだと、本来なら悩まずに済む問題に頭を抱えたり躓(つまづ)いたり、人ともめてしまったりしてしまいます。
自分が生きづらい…うまくいかない…と感じたとしたら、何かのコンプレックスが隠れている可能性があります。
自分では無意識下に追いやられてしまっているため、気づけないことが多いのも現状です。
一度カウンセラーなどに相談してカウンセリングを受けてみるのもよいでしょう。
【まとめ】コンプレックスから抜け出す方法とは!?1番大切なことは「焦らず誰かに相談する」こと!!カウンセリングも効果大!!
コンプレックスの原因は?改善策は?
コンプレックスは幼少期の育ち方が関係していることが多くあります。
白雪姫コンプレックスなどはその象徴です。
幼い頃、だいたい小学生くらいまでの時期に育った環境や、家族の関係が深く関わっています。
そのため、自分の家庭がどのような状況だったかを思い出してみてください。
もしかすると、そこに原因があるかもしれません。
また、自尊心の低さが原因になることもあります。
自分で自分を愛し、満足させる方法を知らないため、誰かから過剰に愛情を求めたり依存したりします。
そして、自分を必要としてもらうために自己犠牲をしてしまうこともあるでしょう。
自尊心を高めることが大切です。
しかし、それらは生きていくためにあなたが必死に編み出した、手段なのかもしれません。
変わろうと思っても臆病になってしまったり、具体的にどう変わればいいのかわからなかったりすると思います。
そんな時は、焦らず誰かに相談してみてください。
ほんのちょっとだけ勇気を出して誰かに頼ってみてください。
身近で信用できる知人友人、パートナーや家族、また専門の心理カウンセラーなどもおすすめです。
特にカウンセラーであれば、生きやすい自分に生まれ変わるための方法をたくさん知っています。
カウンセリングを受けて、自分のコンプレックスを克服していきましょう。
もう何にも囚われる必要はありません。
自由に人生を羽ばたいていきましょう。
杉本もゆるでした。
心の扉メンタルカウンセリング横浜
筆:杉本もゆる
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